横光 利一

梅雨

旧字旧仮名 約1,403字・読了目安3分

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去年の梅雨には曇天が毎日續いた。重苦しい濕氣のなかで私は毎日ねつとりとした汗をかき、苦しんだ。思へば毎年その頃になつて筆の動いた試しがないが、この年の梅雨の日は或る日どこからか逃げてきたらしい鶯が庭の繁みのなかで鳴きはじめた。梢をのぞいても…

作品情報

初出「大陸 第二卷第七號」1939(昭和14)年7月1日
分類NDC 914
公開日2018-03-17
最終更新2018-02-25
底本 「定本 横光利一全集 第十三卷」河出書房新社
入力mitocho
校正押井徳馬

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