悲しみの代価
旧字旧仮名 約61,138字・読了目安122分
一 彼は窓の敷居に腰を下ろして、菜園の方を眺めてゐた。 「あなたお湯へいらつしやる?」と妻が勝手元から、訊いた。 彼は默つてゐた。近頃殊に彼は妻が自分の妻だと思へなくなつて來てゐた。 妻は小さな金盥を持つて彼の傍へ來た。 「いらつしやらない…
作品情報
| 分類 | NDC 913 |
|---|---|
| 公開日 | 2021-03-17 |
| 最終更新 | 2021-03-01 |
| 底本 | 「定本 横光利一全集 第二卷」河出書房新社 |
| 入力 | 橘美花 |
| 校正 | 奥野未悠 |
横光 利一の他の作品
底本情報の詳細は青空文庫の図書カードを参照してください。