織田 作之助

世相

新字新仮名 約32,263字・読了目安65分

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一 凍てついた夜の底を白い風が白く走り、雨戸を敲くのは寒さの音である。厠に立つと、窓硝子に庭の木の枝の影が激しく揺れ、師走の風であった。 そんな風の中を時代遅れの防空頭巾を被って訪れて来た客も、頭巾を脱げば師走の顔であった。青白い浮腫がむく…

作品情報

初出「人間」1946(昭和21)年4月号
分類NDC 913
公開日2000-03-17
最終更新2014-09-17
底本 「定本織田作之助全集 第五巻」文泉堂出版
入力小林繁雄
校正伊藤時也

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