近松 秋江

うつり香

新字新仮名 約47,759字・読了目安96分

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そうして、それとともにやる瀬のない、悔しい、無念の涙がはらはらと溢れて、夕暮の寒い風に乾いて総毛立った私の痩せた頬に熱く流れた。 涙に滲んだ眼をあげて何の気なく西の空を眺めると、冬の日は早く牛込の高台の彼方に落ちて、淡蒼く晴れ渡った寒空には…

作品情報

分類NDC 913
公開日2001-01-30
最終更新2014-09-17
底本 「日本の文学 8 田山花袋 岩野泡鳴 近松秋江」中央公論社
入力久保あきら
校正松永正敏

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