有島 武郎

卑怯者

新字新仮名 約5,624字・読了目安11分

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青黄ろく澄み渡った夕空の地平近い所に、一つ浮いた旗雲には、入り日の桃色が静かに照り映えていた。山の手町の秋のはじめ。 ひた急ぎに急ぐ彼には、往来を飛びまわる子供たちの群れが小うるさかった。夕餉前のわずかな時間を惜しんで、釣瓶落としに暮れてゆ…

作品情報

分類NDC 913
公開日1998-06-22
最終更新2014-09-17
底本 「カインの末裔」角川文庫、角川書店
入力鈴木厚司

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