寺田 寅彦

東上記

新字新仮名 約9,959字・読了目安20分

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八月二十六日床を出でて先ず欄干に倚る。空よく晴れて朝風やゝ肌寒く露の小萩のみだれを吹いて葉鶏頭の色鮮やかに穂先おおかた黄ばみたる田面を見渡す。薄霧北の山の根に消えやらず、柿の実撒砂にかちりと音して宿夢拭うがごとくにさめたり。しばらくの別れを…

作品情報

初出
分類NDC 915
公開日2004-04-14
最終更新2016-02-25
底本 「寺田寅彦全集 第一巻」岩波書店
入力Nana ohbe
校正松永正敏

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