芥川 竜之介

蜜柑

旧字旧仮名 約6,630字・読了目安13分

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或曇つた冬の日暮である。私は横須賀發上り二等客車の隅に腰を下して、ぼんやり發車の笛を待つてゐた。とうに電燈のついた客車の中には、珍らしく私の外に一人も乘客はゐなかつた。外を覗くと、うす暗いプラットフォオムにも、今日は珍らしく見送りの人影さへ…

作品情報

初出「新潮」1919(大正8)年5月1日
分類NDC 913
公開日2012-03-21
最終更新2021-06-16
底本 「現代日本文學全集 第三十篇 芥川龍之介集」改造社
入力高柳典子
校正岡山勝美

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