南部 修太郎

修道院の秋

旧字旧仮名 約11,956字・読了目安24分

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「好いかよう……」 と、若い水夫の一人が、間延びのした太い聲で叫びながら船尾の纜を放すと、鈍い汽笛がまどろむやうに海面を掠めて、船は靜かに函館の舊棧橋を離れた。 港の上にはまだ冷冷とした朝靄が罩め渡つて、雨上りの秋空は憂ひ氣に暗んでゐた。騷…

作品情報

初出「三田文學」1916(大正5)年11月号
分類NDC 913
公開日2002-05-29
最終更新2014-09-17
底本 「新進作家叢書22 修道院の秋」新潮社
入力小林徹
校正林幸雄

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