牧野 信一

ゾイラス

新字旧仮名 約12,727字・読了目安25分

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海の遠鳴りをきゝながら私は、手風琴を弾いてゐた。そのダクテイルが、ひらひらと潮の音に逆つて低く高く青白い虚空を衝いて飛んで行くと、私の魂も夢も片々たる白い蝶々と化して、波を乗り越え、宙に翻つて、無何有の沖へ沖へと雪崩れを打つて消えて行つた。…

作品情報

初出「文藝春秋 第十巻第十号」文藝春秋社、1932(昭和7)年9月1日
分類NDC 913
公開日2010-02-17
最終更新2016-05-09
底本 「牧野信一全集第四巻」筑摩書房
入力宮元淳一
校正門田裕志

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