岡本 かの子

兄妹

新字新仮名 約2,079字・読了目安4分

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――二十余年前の春 兄は第一高等学校の制帽をかぶっていた。上質の久留米絣の羽織と着物がきちんと揃っていた。妹は紫矢絣の着物に、藤紫の被布を着ていた。 三月の末、雲雀が野の彼処に声を落し、太陽が赫く森の向うに残紅をとどめていた。森の樹々は、ま…

作品情報

初出「令女界」1936(昭和11)年3月号
分類NDC 913
公開日2008-11-05
最終更新2014-09-21
底本 「岡本かの子全集2」ちくま文庫、筑摩書房
入力門田裕志
校正オサムラヒロ

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