原 民喜

五月

新字旧仮名 約1,001字・読了目安2分

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電車は恍惚とした五月の大気のなかを走った。西へ傾いた太陽の甘ったるい光は樹木や屋根の上に溢れ、時としてその光は房子の険しい額に戯れかかった。何処の駅に着くのか何処を今過ぎてゐるのか、まるで乗客はみんな放心状態にあるやうな、さう云った一時であ…

作品情報

分類NDC 913
公開日2009-07-16
最終更新2014-09-21
底本 「普及版 原民喜全集第一巻」芳賀書店
入力蒋龍
校正小林繁雄

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