永井 荷風

夏の町

新字新仮名 約12,033字・読了目安24分

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一 枇杷の実は熟して百合の花は既に散り、昼も蚊の鳴く植込の蔭には、七度も色を変えるという盛りの長い紫陽花の花さえ早や萎れてしまった。梅雨が過ぎて盆芝居の興行も千秋楽に近づくと誰も彼も避暑に行く。郷里へ帰る。そして炎暑の明い寂寞が都会を占領す…

作品情報

分類NDC 914
公開日2010-07-06
最終更新2019-12-12
底本 「荷風随筆集(上)」岩波文庫、岩波書店
入力門田裕志
校正阿部哲也

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