葛西 善蔵

奇病患者

旧字旧仮名 約5,587字・読了目安11分

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薪の紅く燃えてゐる大きな爐の主座に胡坐を掻いて、彼は手酌でちび/\盃を甞めてゐた。その傍で細君は、薄暗い吊洋燈と焚火の明りで、何かしら子供等のボロ布片のやうな物をひろげて、針の手を動かしてゐた。そして夫の、今夜はほとんど五合近い酒を飮んでも…

作品情報

分類NDC 913
公開日2010-10-29
最終更新2014-09-21
底本 「子をつれて 他八篇」岩波文庫、岩波書店
入力蒋龍
校正川山隆

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