背負揚
新字旧仮名 約10,533字・読了目安21分
鐘の音さへ霞むと云ふ、四月初旬の或長閑な日であつた。 私は此春先――殊に花見頃の時候になると、左右脳を悪くするのが毎年のお定例だ。梅が咲いて、紫色の雑木林の梢が、湿味を持つた蒼い空にスク/\透けて見え、柳がまだ荒い初東風に悩まされて居る時分…
作品情報
| 初出 | 「趣味 第三巻第一号」趣味社、1908(明治41)年1月1日 |
|---|---|
| 公開日 | 2022-11-18 |
| 最終更新 | 2022-10-26 |
| 底本 | 「徳田秋聲全集 第7巻」八木書店 |
| 入力 | 特定非営利活動法人はるかぜ |
| 校正 | きりんの手紙 |
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