山本 周五郎

蘭

新字新仮名 約10,394字・読了目安21分

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一 秋の日はすでに落ちていた。 机にむかって筆を持ったまま、もの思いにふけっていた平三郎は、明り障子の蒼茫と暗くなっていくのに気づいて、筆をおきながら、しずかに立って窓を明けた。 北に面した庭には女ダケの荒れたやぶとまだ若木のスギ林がひろが…

作品情報

初出「家の光」1948(昭和23)年8月号
公開日2022-09-02
最終更新2022-08-27
底本 「山本周五郎全集第二十一巻 花匂う・上野介正信」新潮社
入力特定非営利活動法人はるかぜ
校正noriko saito

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