森 鴎外

金貨

新字旧仮名 約16,409字・読了目安33分

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左官の八は、裏を返して縫ひ直して、継の上に継を当てた絆纏を着て、千駄ヶ谷の停車場脇の坂の下に、改札口からさす明を浴びてぼんやり立つてゐた。午後八時頃でもあつたらう。 八が頭の中は混沌としてゐる。飲みたい酒の飲まれない苦痛が、最も強い感情であ…

作品情報

初出「スバル 第九号」1909(明治42)年9月
分類NDC 913
公開日2021-02-17
最終更新2021-01-27
底本 「現代日本文學大系 7 森鴎外集(一)」筑摩書房
入力shiro
校正館野浩美

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