壺井 栄

暦

新字新仮名 約59,103字・読了目安118分

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一 「実枝、年忌の手紙出しといたか」 奥の部屋で出勤前の身支度をしながらのクニ子の声がせかせかと聞えた。茶の間の実枝は赤い箸でたくあんを挾み、わざとゆっくりと前歯で噛みながら、 「ん」と、どっちつかずの返事をした。 「ん、じゃないでほんまに…

作品情報

初出「新潮」1940(昭和15)年2月
公開日2022-08-05
最終更新2022-08-02
底本 「日本文学全集76 壺井栄 芝木好子集」集英社
入力芝裕久
校正入江幹夫

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