山本 周五郎

酒・杯・徳利

新字新仮名 約4,160字・読了目安8分

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荒廃した田舎家の中だ。 半漁半農の村だから、数年前までは恐らく一番貧しい漁夫の棲家だったに相違ない。藁葺屋根はなかば腐れ、荒木田の壁は崩れ、天井板も柱も黒く煤け、二段になっている造り付けの戸納の戸は欠け、畳はみるかげもなく脆けて、歩くたびに…

作品情報

初出「ぬかご」ぬかご社、1934(昭和9)年3月号
公開日2026-01-25
最終更新2026-01-22
底本 「暗がりの弁当」河出文庫、河出書房新社
入力特定非営利活動法人はるかぜ
校正noriko saito

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