折口 信夫

山の音を聴きながら

新字旧仮名 約3,542字・読了目安7分

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ようべは初めて、澄んだ空を見た。宇都宮辺と思はれる空高く、頻りに稲光りがする。もう十分秋になつて居るのに、虫一疋鳴かない。小山の上の大きな石に腰をおろして居ると、冷さが、身に沁みて来るやうだ。物音一つしない山の中に、幽かに断え間なく響いて居…

作品情報

分類NDC 914
公開日2004-01-20
最終更新2014-09-18
底本 「日本の名随筆67 宿」作品社
入力門田裕志
校正多羅尾伴内

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