侘助椿
新字旧仮名 約2,344字・読了目安5分
一 私は今夕暮近い一室のなかにひとり坐ってゐる。 灰色の薄くらがりは、黒猫のやうに忍び脚でこつそりと室の片隅から片隅へと這ひ寄つてゐる。その陰影が壁に添うて揺曳くする床の間の柱に、煤ばんだ花籠がかかつてゐて、厚ぼつたい黒緑の葉のなかから、杯…
作品情報
| 分類 | NDC 914 |
|---|---|
| 公開日 | 2001-07-06 |
| 最終更新 | 2014-09-17 |
| 底本 | 「泣菫随筆」冨山房百科文庫、冨山房 |
| 入力 | 本山智子 |
| 校正 | 林幸雄 |
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