久生 十蘭

野萩

新字新仮名 約10,652字・読了目安21分

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一 出かけるはずの時間になったが、安は来ない。離屋になった奥の居間へ行ってみると、竹の葉影のゆらぐ半月窓のそばに二月堂が出ているだけで、あるじのすがたはなかった。 窓ぎわに坐って待っているうちに、六十一になる安が、ひとり息子の伊作の顔を見た…

作品情報

分類NDC 913
公開日2010-09-18
最終更新2014-09-21
底本 「久生十蘭全集 Ⅱ」三一書房
入力tatsuki
校正伊藤時也

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