水野 仙子

夜の浪

旧字旧仮名 約3,684字・読了目安7分

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どちらから誘ひ合ふともなく、二人は夕方の散歩にと二階を下りた。婢が並べた草履の目に喰ひ入つてゐた砂が、聰くなつてゐる拇指の裏にしめりを帶びて感じられた。 『いつてらつしやいまし。』と、板の間に手をつく聲が、しばらく後を見送つてゐることゝ、肩…

作品情報

初出「女子文壇」1913(大正2)年7月
分類NDC 913
公開日2003-01-23
最終更新2014-09-17
底本 「水野仙子集 叢書『青鞜の女たち』第10巻」不二出版
入力林幸雄
校正小林徹

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