牧野 信一

悦べる木の葉

新字旧仮名 約2,829字・読了目安6分

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一郎は今迄しきりに読んでゐた書物から眼を放すと、書斎の窓を開いて庭を眺めた。――冬枯の庭は、どの木も寒さうに震へてゐるかのやうに見えた。南天の実の紅色だけが僅かな色彩で、冬の陽に映えてゐるばかりだつた。空はよく晴れてゐて、時たま何処かで百舌…

作品情報

初出「少年 第二〇九号(新年号)」時事新報社、1920(大正9)年12月8日
分類NDC K913
公開日2011-04-19
最終更新2014-09-16
底本 「牧野信一全集第一巻」筑摩書房
入力宮元淳一
校正門田裕志

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