田山 花袋

一夜のうれい

新字新仮名 約2,217字・読了目安4分

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夜は早十時を過ぎたり。されど浮立たざる心には、臥床を伸べんことさえ、いとものうし。まして我は寝ねてだに、うれしき夢見るべき目あてもあらぬ墓なき身なれば、むしろ眠らずして、この儘一夜を闇黒の中に過すべきか、むしろこの一夜の永久なる闇黒界になら…

作品情報

初出「文藝倶樂部 第二巻第九編臨時増刊 海嘯義捐小説」博文館、1896(明治29)年7月25日
公開日2023-05-13
最終更新2023-05-08
底本 「天変動く 大震災と作家たち」インパクト出版会
入力持田和踏
校正noriko saito

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