薄田 泣菫

木犀の香

新字新仮名 約1,401字・読了目安3分

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「いい匂だ。木犀だな。」 私は縁端にちよつと爪立ちをして、地境の板塀越しに一わたり見えるかぎりの近処の植込を覗いてみた。だが、木犀らしい硬い常緑の葉の繁みはどこにも見られなかつた。この木の花が白く黄いろく咲き盛つた頃には、一二丁離れたところ…

作品情報

分類NDC 914
公開日2002-01-28
最終更新2014-09-17
底本 「花の名随筆10 十月の花」作品社
入力門田裕志
校正林幸雄

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