泉 鏡花 、泉 鏡太郎

左の窓

旧字旧仮名 約4,230字・読了目安8分

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今年四月二十九日、新橋發、汽車は午前六時半なれども、三十日を前に控へたれば、未だ夜の明けぬに出立つ。夜逃の體に似たるかな。旅馴れぬ身のしをらしくも心急きたるなり。柳の翠ほのぼのと、丸の内を馳らすれば、朝靄のやゝ動くが、車の轍にまとひ、薄綿の…

作品情報

初出「新小説 第九年第七巻」1904(明治37)年7月1日
公開日2024-09-07
最終更新2024-09-04
底本 「鏡花全集 巻二十七」岩波書店
入力門田裕志
校正岡村和彦

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