山本 周五郎

さぶ

新字新仮名 約215,648字・読了目安431分

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一の一 小雨が靄のようにけぶる夕方、両国橋を西から東へ、さぶが泣きながら渡っていた。 双子縞の着物に、小倉の細い角帯、色の褪せた黒の前掛をしめ、頭から濡れていた。雨と涙とでぐしょぐしょになった顔を、ときどき手の甲でこするため、眼のまわりや頬…

作品情報

初出「週刊朝日」 1963(昭和38)年1月4日号~7月5日号
分類NDC 913
公開日2020-01-11
最終更新2019-12-27
底本 「山本周五郎全集第十六巻 さぶ・おごそかな渇き」新潮社
入力特定非営利活動法人はるかぜ
校正砂場清隆

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