山本 周五郎

某月某日

〔午後十時すぎ〕

新字新仮名 約404字・読了目安1分

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午後十時すぎ。桜木町駅前の市電の停留所で、一人の酔っぱらいが喚いている。安全地帯は鉄柵で囲ってあるが、彼はその柵に凭れて、躯ぜんたいをぐらぐらさせながら喚く、年は五十がらみ、工員ふうの、痩せた小柄な男である。「なんでえ、七百両ぽっち。みんな…

作品情報

初出「日本経済新聞」1954(昭和29)年11月
公開日2025-07-10
最終更新2025-07-10
底本 「暗がりの弁当」河出文庫、河出書房新社
入力特定非営利活動法人はるかぜ
校正noriko saito

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